DIYの腕を買われて、テレビ台の作成を頼まれました。
依頼してきたのは、新婚さんでちょっと広めのおしゃれなマンションを
新しく購入したので家具にもこだわりたいそうです。
完全オーダーメイドは高すぎるので相談にのったところ、
欲しい家具のデザインは、DIYの木工と鉄工のカンタンな構造でした。
材料費と輸送費プラスアルファで作成してあげることにしました。
希望の家具の構造は次のイラストのようなものでした。
「見た目はスタイリッシュなテレビ台 でも構造はカンタン」
棚はビンテージ風の表面が焼けたような素材。縦の柱は金属の素材。
上のイラストは、欲しいデザインの写真をそのまま載せられないので、
イメージですが、縦の金属の柱は良く見ると、どこのホームセンターでも
売っている「長ねじボルト」という素材でした。
長ねじボルトは、天井から業務用エアコンを吊ったりするなど、
引っ張られることに良く使われる素材ですが、いろいろなことに
つかえるので、どこのホームセンターでも手に入ります。
今回製作するテレビ台に使っている材料は、棚板と、長ねじボルトと
棚板を固定するためのナット。あとは、床に傷を付けないように
足を付けて、テレビ台として使えるようにデザインを変更するだけ。
大まかなデザインも、依頼してきた新婚さんのイメージに合わせて、
中央にテレビ台、左右に棚板を配置した以下のようなデザインになりました。
さて、細かい設計もしたところで、材料の手配と組立作業を検討します。
1、棚板を希望のサイズでカット。
2、棚板に長ねじボルト用の穴をあける。
3、長ねじボルトを希望の長さでカット。
4、ナットや足を用意。
5、そろえた材料を組み立てる。
と考えたところで、私が実際に手を動かすのは、買物と組立作業しか
ないことに気付きました。1~4は全て材料を買うホームセンターで
終わる作業です。カットや穴あけは頼めばホームセンターが有料で
やってくれるサービスです。
組立作業も最終段階の組立は、依頼した新婚さんが行うので、
私はちゃんと組立できるかどうかの仮組みまで。予想外にカンタンです。
「ホームセンターでお買物とカット依頼」
そうと分かれば、早速図面を持ってホームセンターへ向かい、
材料を揃え、棚板のカットと穴あけ、長ねじボルトのカットを
依頼します。
ビンテージ風の表面を焼いた杉材、焼杉を使っているのでカット面や、
別の部品である足の色が違ってしまうので、ニスで着色します。
「仮組みで想定外の苦労」
ニスが乾いたら、仮組みしてみます。中央の下から2段目がテレビ台。左右に
棚板を配置して、観葉植物や見せる収納に使えます。仮組みしたテレビ台の
後ろの私の部屋の32型テレビがおもちゃのように見える大きなテレビ台
になりました。
ここまで、スムーズに作業が進みましたが、この仮組みが苦労のポイント。
長ねじボルトの中央までナットを移動させないとなりません。
ひたすらにナットを回します。全部で50個近いナットを使います。
そのうち2/3は30cmから50cmはナットを移動させなければなりません。
仮組みは、ひたすらに指先でナットを回す作業を2~3時間行うという
苦労が待っていました。依頼者の新婚さんのもとに届けるために、一度
分解してコンパクトに梱包して送ります。そのために仮組みを更に分解
するために2~3時間。ナットを回すためだけにミニ四駆を買いに行こうかと
真剣に考えました。ミニ四駆のタイヤをナットに当ててひたすらにナットを
まわしてもらうのです。
依頼者の新婚さんにも、ここが苦労ポイントであることを重々伝え、
梱包して発送しました。
「完成したらこんなスタイリッシュなテレビ台になります」
だいたいの材料代は以下。加工賃や手元にあった一部材料は含まれないので
2万円ちょっとといったところ。
棚板 1820*300*17 4枚 \10,200
足:円柱 6本 \4,800
支柱およびナット各種 \4,700
合計 おおよそ ¥19,700
ひたすらに、ナットを回す作業が逆に家具に愛着が沸きます。
気になった方は、こんな大型のものはたいへんなので、小型のラックから
はじめてみると楽しいかもしれません。