自己啓発

思い込みの魔法

思い込みは私たちの人生、生活、考え方などに影響を与えるものです。心理学者の鈴木敏昭氏は、思い込みについて6個以上の縛られ度を測定するテストを提供しています。以下では、認知バイアスの種類とその意味を詳しく紹介します。

アンカリング効果

初めに与えられた数字が、次に与えられた数字の認識に影響する現象です。例えば、「100万円のバッグ」を見た後、「20万円のバッグ」はすごく安く感じてしまいますが、単体で考えると安いとは思わないでしょう。

フレーミング効果

同じ意味を持つ文章の注目点を変えることで、選択の結果が異なる現象です。例えば、「手術の成功する確率は85%です」と「手術の失敗する確率は15%です」は同じ意味ですが、異なる言葉を使うことで認知のゆがみが生じます。

スポットライト効果

自分の行為や身だしなみに対して、実際に相手が自分に対して気にしているよりも、過敏に気にされているように思う認知バイアスです。

ハロー効果

目立ちやすい特徴や印象が相手を評価するときに大きく影響する現象です。例えば、有名大学卒業者は仕事ができると思われることがあります。

バンドワゴン効果:

ある選択肢をたくさんの人が選んでいる場合、それを選ぶ人がさらに増加する現象です。マーケティングでも利用されています。

虚偽記憶

実際に起っていないことを本当に起こっていたことと記憶してしまうことです。これらの認知バイアスに注意しながら、自分の思考を客観的に見つめ直すことが大切です。と、最初の文章では悪い事ばかりですが、本当に思い込みは悪いのでしょうか?思い込みの使い方さえ間違わなければ最強のツールになると私は確信しています。

「思い込みの力」

「思い込みの力」とは、プラセボ効果のように、思い込みが作用する心理効果です。優秀であると思いこむことでパフォーマンスが上がる可能性もあります。しかし、「思い込み」が強い人は、自分の考えが正しいという固定概念が強く、視野が狭いけいこうにあります。物事を客観的に判断することができないという特徴があげられます。指摘や異なる意見を言われると、自分のすべてを否定されたと感じたり、自分の都合の良い解釈をすることが多い傾向にあります。

願えば叶う!ポジティブな思い込みの力

ネガティブに働くと怖いほどの力を持つ「思い込み」ですが、ポジティブに働かせればその分、強い味方になってくれます。

実現すると信じたことは、実現する。

思い込みの力が現実になりやすいのは、人が「こうなるに違いない」と思い込んだとおりの現実が起きるように、脳が無意識のうちに言動を変えるためであるとも言われています。

例えると「1年後に起業する」と決めた人の目には、それまで気に留めたこともなかった「起業に関する情報」が次々に飛び込んできたり、一流アスリートも、試合前に「何もかもうまくいき、試合に勝った」自分の姿を思い描いて、その状態を引き寄せます。

「必ずこうなる」と思い込むことができれば、実際にそのとおりになりやすいのです。

やる気を楽に引き出すのも「思い込み」で可能に

また、「努力すれば必ずできる」と心から思い込めば、自分のやる気を引き出すのにも苦労することがなくなります。ですがどうしても努力してもできるかどうか分からないという状況では、「面倒くさい」「そんな大変な思いをしてまでやらなくてもいいや」と思ってしまいがちです。そんな時こそ思い込みの力が必要です。努力すれば叶う、という強い思い込みは、やる気を引き起こすのにも使えます。

思い込みの力の効果的な利用法

では、ポジティブな思い込みの力をうまく利用する方法について、具体的なやり方やちょっとしたコツをご紹介していきましょう。

「うまくいく」と信じきる

思い込みの力が現実をこれだけ左右するということは、同じ行動をしても「うまくいく」と信じきっている場合と半信半疑な場合とでは、結果に差が出てしまうということです。

たとえば「筋トレで痩せる」と信じきってトレーニングをするのか、「どうなのかなあ」とモヤモヤしながらするのとでは、痩せるスピードや痩せ方に差が出てきます。同じ筋トレを同じ回数しても、です。

どうせやるなら、できる限り信じきってやった方が効果的だし、お得だということですね。

  • ダイエット
  • 仕事
  • 人間関係

などにノウハウを取り入れるときは、「絶対うまくいく」と信じきって行うと効果がアップします。

「成功した姿」を想像する

人の脳には、変化を避けて現状をキープしようとする「ホメオスタシス」という機能が備わっています。これは、本来の自分と違う行動をとったときなどに、違和感を感じて元の自分に戻そうとする機能です。長年の習慣を変えようとすると、このホメオスタシスが邪魔をすることがあります。たとえばずっと夜更かしをしていた人が急に「早寝早起きをしよう」としても、いつもの自分の行動ではないため、違和感を感じた脳が自然と「軌道修正しなくては」と、夜更かしする方向へ行動の舵をきってしまうのです。

ちょっと厄介に思えるホメオスタシス機能ですが、逆にこれを利用してしまう手があります。それは、もうすでに「早起きに成功している」自分の姿を、できるだけリアルに具体的にイメージする方法です。「早起きしよう」と頑張る姿ではなく、「もうできた」姿を想像するのがポイントです。リアルに思い描けば描くほど、脳はそれを現実だと認識します。

脳というのは案外騙されやすいもので、想像を繰り返しているうちに、だんだん「早起きする自分」が現実の姿として当たり前になってくるのです。そうなったらもうこっちのもの。

ホメオスタシスの働きによって、今度は逆に「早起きしていない自分」の方が違和感があり、気持ち悪いものに感じます。すると脳は「いつもどおり早起きしよう!」と、自然と早起きする方向へ行動の舵を切り始めます。

この方法は、あらゆる夢や願望実現に応用することができます。

お金持ちになりたい人は、お金持ちに「なった」自分の姿をリアルに想像してみましょう。

月収はいくら稼いでいるのか、年収はいくらになるのか、どんな部屋に住んでどんな人と付き合って、やりたいことをどんなふうにしているのか……と、できる限り詳しく想像してみるのです。

痩せて理想の体型になりたい人は、すでに「そうなった」自分の姿や行動を想像してみましょう。

成功のイメージを繰り返し脳裏に焼き付ける

強く思い込む、つまり行動を変えるほどの変化を脳にもたらすためには、何度も繰り返しイメージを焼き付けるのが一番です。

とくに効果的なのは、特定の言葉や画像を

  • 声に出して何度も唱える
  • 目につくところに貼る
  • 繰り返し考える

など、脳に焼き付ける回数を増やすこと。

ダイエットならば「理想の体型の人の画像に自分の顔をはめ込んで、目につくところに貼る」というのがじつは効果的です。

毎日画像を見つめながら、自分がそうなっているところを想像して気持ちよくなる。鏡を見ながら「昨日より痩せてる〜」と呟いてみる。こうしたことが、脳にポジティブな思い込みを植え付けていきます。

もちろん仕事や自分の性格に関することでも同じです。「こうなりたい」という理想の形を、むしろ「もう、こうなっている」と、毎日繰り返し考えてみてください。

自分なりのスイッチを考えておく

自分なりのスイッチを持つことは、やる気を引き出すのにも、ネガティブなことをぐるぐる考えるのをやめるのにも、役立ちます。やる気を引き出すのには、香りのスイッチが一番です。というのも、嗅覚は脳の中でも感情を司る部分に最も近い位置にあるためです。

特定の匂いを「これを嗅ぐとやる気が出る」と自分で決めて(言い聞かせて)、それを嗅いだ後に必ず勉強や仕事をするようにします。すると、いつのまにかその匂いを嗅ぐことで楽に「やる気スイッチ」が入るようになります。

「これ」と決める香りは好きな香りが一番ですが、その中でも少し刺激が強めのものを選ぶと、一層効果的です。

また、「こうなったらどうしよう……」とネガティブな思考のぐるぐるループを止めるのにも、何かスイッチを決めておくことが有効です。

思い込みの力は、現実に影響を与えます。

一生懸命頑張っているのに「なぜかいつも結果が出ない」と悩んでいる人は、もしかしたら心のどこかで「自分にはできない」と思い込んでしまっているのかもしれません。
失敗したときに「やっぱりね」と反射的に感じる癖のある人も、要注意です。

思い込み一つで結果がコントロールできるのであれば、それを利用しない手はありません!根拠のない思い込みでも、それで何かがうまくいくなら、その思い込み自体が根拠と言えるのではないでしょうか。

今日からはぜひ、思い込みをどんどん利用していきましょう!