食欲が止まらず、食べ過ぎてしまった。体重が増加してしまった。
こんな経験はありませんか?
食欲は3大欲求の1つとされ、生じた食欲を抑えることは非常に困難です。食欲コントロールのコツは脳やホルモンの影響で生じた、間違った食欲を起こさないことが重要です。食欲の増加がどうして起こってしまうのか、また、どうしたら食欲をコントロールできるのかについて紹介していきます。
ここでは、食欲がコントロールできない3つの原因を説明していきます。
血糖値が不安定
血糖値が不安定になると、食欲は増加してしまいます。糖質は脳のエネルギー源であり、糖質不足は脳機能低下を引き起こします。脳は、私たちの体を動かす最も重要な臓器であるため、低血糖は体に危機的な状態といえます。低血糖状態になると、脳は糖質を摂取しようと、食欲を増加させてしまいます。食事での糖質量が少なく、耐糖能が低下している状態では低血糖となり、食欲が増加してしまいます。
腸内環境が悪化
腸内環境が悪化することで、食欲は止まらなくなってしまいます。腸の中では食欲抑制ホルモン(PYY)の合成を行っており、腸内環境悪化は食欲抑制ホルモンの合成低下をもたらします。私たちの腸内では腸内細菌が食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸を産生します。短鎖脂肪酸は受容体と結合することで、食欲抑制ホルモンの分泌を促進させます。腸内環境が悪化した状態であると、短鎖脂肪酸の産生が行いにくくなるため、食欲抑制ホルモンの合成量も少なくなり、食欲が増加してしまいます。
睡眠不足
8時間以下の睡眠では食欲が増加してしまいます。
睡眠不足では食欲増加ホルモン(グレリン)の増加、食欲抑制ホルモン(レプチン)の減少が生じます.睡眠不足は判断力低下も引き起こし、間食が我慢できなくなってしまう可能性もあります。睡眠不足の人は、睡眠時間を増やす意識をしていきましょう。
食欲がコントロールできる8つの習慣
食欲がコントロールできる8つの習慣を紹介していきます。
炭水化物を摂取する
糖質と食物繊維を含む炭水化物を摂取しましょう。脳のエネルギー不足が解消され、食欲がコントロールできるようになります。また、食物繊維には善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があります。腸内環境が整うことで、食欲抑制ホルモンの合成が増加し、食欲が抑制されます。
脂質の過剰摂取
脂質の過剰摂取は避けましょう。過剰摂取とは総カロリーの30%以上を摂取した場合をいいます。脂質の摂りすぎを避けることで、食欲増加を抑制することができます。脂質の摂りすぎは、糖質の代謝をブロックします。代謝に使用できなかった糖質は血中に余り、過剰なインスリン分泌が起こってしまいます。その影響で低血糖状態となり、脳が糖質を摂取しようと食欲増加が起こります。また、脂質の過剰摂取は、腸内環境を悪化させ、食欲抑制ホルモンの合成低下を引き起こしてしまいます。糖質の代謝を上げる、腸内環境を整えるためにも脂質の過剰摂取は避けましょう。
適正カロリーを摂取する
適正カロリーを摂取しましょう。カロリー不足では血糖値が不安定となり、食欲増加を引き起こします。低カロリーで不足したエネルギーは、脂肪を分解することで補います。脂肪の分解は、糖質の代謝をブロックするため、糖質が血中に余ってしまい、過剰なインスリン分泌が起こります。その影響で低血糖状態となり、脳が糖質を摂取しようと食欲増加が起こります。食欲コントロールには適正カロリーの摂取も必要です。
人工甘味料を避ける
ジュースなどに含まれる人工甘味料の摂取は控えましょう。人工甘味料は食欲増加を促す効果があるとされています。私たちの脳は糖質を摂ることにより、甘みを感じます。その後に、糖質が吸収され、血糖値が上昇する仕組みとなっています。ところが、人工甘味料は甘みを感じた後に、血糖値上昇が起こりません。血糖値が上昇しないことに脳は異常を感じ、摂食行動を引き起こしてしまいます。人工甘味料の摂りすぎには注意しましょう。
朝食を食べる
毎日、朝食を欠かさずに摂りましょう。朝食欠食によって、昼食後の血糖値乱高下が起こります。朝食欠食後は、糖質が不足した状態であり、低血糖状態となります。低血糖では、血液中の糖質を保持しようと、細胞への糖質取り込みを低下させます。この状態で昼食を摂取すると、血糖値の乱高下が起こり、低血糖状態となってしまいます。低血糖状態では脳が糖質を摂取しようとするため、食欲の増加が起こります。朝食を欠食した昼食後は低血糖となり、食欲が増加してしまいます。朝食は欠かさず摂りましょう。
早食いをやめる
早食いをやめ、20-30分以上かけて食事を摂りましょう。満腹感が生じるのは、食べ始めてから20-30分程度といわれています。満腹感は脳で制御されており、食事が胃に到達することで起こります。早食いは満腹感が生じにくいため、食べ過ぎてしまう可能性があります。食事は満腹感が生じる20-30分かけて摂取するのがおすすめです。
睡眠時間を確保する
8時間以上の睡眠時間を確保しましょう。いきなり8時間睡眠は難しいと思いますが、睡眠不足を自覚している人は15分ずつでも就寝時間を早めていくのがおすすめです。
朝に散歩をする
朝起きたら、30分の散歩をしましょう。朝の運動はセロトニン分泌を促し、食欲を抑えることができます。朝食で摂取したタンパク質運動をすることでセロトニンに変わります。幸せホルモンで有名なセロトニンには、食欲を抑制する効果があるため、朝の散歩をすることで、食欲抑制が起こります。食欲をコントロールするのは非常に困難であるため、食欲が増えない生活習慣を身につけることがポイントです。記事を参考にして頂き、食欲の増加に悩まない快適な生活を送って頂けたらと思います。