ビジネスやスポーツ分野において、「継続力」が重視されている。「継続力」とは、目標に対して、ひたむきに取り組み、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力し続ける粘り強さのことを指す。
「継続力」を伸ばすには何をすればいいのか?先ごろ日本で発売された翻訳本『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』から、その方法の一部をご紹介したい。
「継続力」を伸ばすには、4つのステップが重要
1.「興味」
自分のやっていることを心から楽しんでこそ「情熱」が生まれる。目標に向かって努力することに喜びや意義を感じていた。
まだ「これだ」と思うものが見つかっていない人は、次の質問を自分自身に問いかけることで、取り組むべきことを「発見」できる可能性がある。
「どんなことを考えるのが好きだろう?」
「いつの間にか考えているのはどんなこと?」
「本当に大切に思っているのはどんなこと?」
「最も重要なこととは?」
「何をしているときが一番楽しい?」
「これだけは耐えられないと思うことは?」
まずは好き嫌いをはっきりさせて、とりあえずいいと思ったことをやってみる。うまくいかなかったら取り消してもいい。その過程で、自分にとって最重要なものはこれだと確信できるときが、いつか必ずやって来る。
2.「練習」
「粘り強さ」の一つの表れは「昨日よりも上手になるように」と日々の努力を怠らないこと。だから、一つの分野に深く興味を持ったら、脇目も振らずに打ち込んで、自分のスキルを上回る目標を設定してはそれをクリアする「練習」に励む必要がある。
ただ、やみくもに練習を重ねるのではなく、明確な目標を設定したうえで自分の弱点を認識し、それを克服するための努力を日々繰り返す「意図的な練習」をすることが重要。時間の長さよりも「どう練習するか」がカギだ。
なお、「継続力のエキスパート」たちは、次の3つの流れで練習を行っているという。
・ある1点に的を絞って、ストレッチ目標(高めの目標)を設定する
・しっかりと集中して、努力を惜しまずに、ストレッチ目標の達成を目指す
・改善すべき点がわかった後は、うまくできるまで何度も繰り返し練習する
3.「目的」
自分が取り組んでいる仕事は重要だと確信してこそ、「情熱」が実を結ぶ。目的意識を感じないものに興味を持ち続けるのは難しい。だからこそ、自分の仕事は個人的に面白いというだけではなく、「他の人々のためにも役立つ」と思えることが必要だ。
「目的」を持つためには、「ロールモデルとなる人からインスピレーションをもらう」のが効果的だ。
「もっといい人間になりたい」と思わせてくれるような生き方をしている人はだれかと考え、そう思う理由を分析してみる。そして、「この人のようになりたい」と具体的に考えることが目的の発見・明確化につながる。
なお、研究の結果「目的」のスコアが高い人ほど、「やり抜く力」が強いことがわかっている。「意義のある生き方がしたい」「ほかの人々の役に立つ生き方をしたい」というモチベーションが高ければ高いほど、やり抜く力に長けている。
これは、「やり抜く力が高い人はみな聖人」という意味ではなく、「自分にとっての究極の目標は、自分という枠を超えて、人々と深くつながっていると考えている」ということを指す。このような考え方を意識的に持つことも、やり抜く力を伸ばすトレーニングになるはずだ。
4.「希望」
希望は困難に立ち向かうための「粘り強さ」の源でもある。希望は、最初の一歩を踏みだしてからやり遂げるまで、あらゆる場面に関わるものであり、ときに困難にぶつかり不安になっても、ひたすら自分の道を歩み続けるために必要不可欠のものだ。
「希望」の持ち方を学びたい人は、次のステップを試してみるといい。
・成長思考を持つ
=人は変われる、成長できると信じて一生懸命努力すれば、自分の能力をもっと飛ばすことが可能だと考える
↓
・楽観的に考える
=意識して悲観的な考え方を止め、物事を楽観的に捉え、考えるトレーニングをする
↓
・結果、逆境でも粘り強く頑張れる
皆さんも是非試してください。