記憶について
皆さんは記憶について考えた事はありますか?
物忘れを何とかしたい、
手っ取り早く語学を覚えたい。
色々あると思いますが、
今回は記憶の仕組みについて
書いていきたいと思います。
「記憶」には3種類ある
記憶力を高める上で重要なのは、
3つある記憶の種類や特徴を知ることです。
記憶には生物学的・脳科学的な意味があります。
それらを知ることで、
より効率的な記憶の定着が可能となります。
「感覚記憶(感覚情報保存)」
目や耳、鼻などの感覚器官から
常に得ている膨大な情報のうち、
特に意識していないために
1秒程度で消滅する記憶を指す。
「短期記憶」
15秒~30秒ほどで消滅する記憶。
例えば、
相手から聞いた電話番号や名前を
紙に書き留めておく間だけなど、
短時間だけ覚えておくときに
使われます。
ワーキングメモリー
(作業記憶)ともいいます。
「長期記憶」
年単位で(場合によっては一生涯)保持される記憶。
自宅の電話番号や自身の名前、
生年月日などがこれにあたります。
記憶の仕組み
脳は多くの神経細胞(ニューロン)によって構成され、
記憶は神経細胞の単位ではなく、
複数の神経細胞をつなぐシナプスの単位で行われます。
脳の仕組みはしばしばコンピューターに例えられますが、
実際には脳とコンピューターの仕組みは大きく異なります。
コンピューターでは1つ1つの電子回路に情報(意味)があり、
そこに蓄積された1つ1つの情報を読み上げることで意味を読み取ります。
これに対して、脳ではたくさんのシナプスに分散されて記憶する
「分散コード方式」が使われています。
1つ1つのシナプスだけをみても意味は読み取れない。
1つの神経細胞には約1万のシナプスがあり、
いくつものシナプスが同時に活動しています。
シナプスの全体的な活動の関係性を読み解くことで
はじめて意味が読み取れる。
近年、記憶を定着させることに
関わる神経細胞の構造が明らかになってきました。
神経細胞の樹状突起にあるスパイン(棘)が、
重要な役割を果たしていることが分かっている。
スパインはシナプスの情報を受け取る側にできた突起であり、
繰り返しの学習によって同じ情報を
何度もインプットすると、
同じスパインに
繰り返し情報が送られる。
これにより、
特定のスパインが大きくなる。
スパインが大きくなると、
信号を効率的に受け取ることができるようになる。
小さいスパインのうちは
さまざまな要素で自然消滅しやすいが、
繰り返し情報が入り、
スパインが大きくなると消滅しにくくなる。
▼記憶のカギを握る「海馬」
数多くある脳の部位の中で、
特に記憶に関係しているのが海馬である。
短期記憶は海馬と前頭連合野が担い、
長期記憶は海馬が中心となって担う。
海馬から送られてきた記憶の情報は、
電気信号として大脳皮質の神経細胞を刺激する。
その刺激が強くなるほど
多くのシナプスが組み合わせされて
伝達効率が増し、
特定の電気信号が通りやすい
特別な回路ができる。
その回路が長時間にわたって
持続することで、
記憶が保たれる。
記憶を引き出すときは、
その記憶の回路に電気信号が流れて思い出す。
海馬は多くの記憶を整理し、
覚えるべきものと
そうでないものを区別し、
覚えるべきものと判断した記憶を
大脳皮質に送る。
こうして送られた情報が、
長期記憶となると考えられている。
5.脳の構造から考える、効果的な記憶法
脳の構造から考えると、
記憶を効率的に蓄積していくために
重要となる主な要素は
「感情」
「興味」
「出力」
の3つである。
これから期末試験や大学受験、
または
職場の昇進試験や
資格試験が控えているのであれば、
学習内容に興味を持ち、
書く
話すなどのアウトプットの
機会を増やすのが効果的です。
皆さん頑張ってください。